店主スヨリトのふるさと。
右がスヨリト。左が兄。中央ふたりが父と母。
羊飼いで料理人でもある父のもとで14歳の頃から修行を始めたスヨリト。スヨリトはどんな場所で育ったのか? どんな食文化がスヨリトを育んだのか?
モンゴル民族は、モンゴル国、ロシア連邦に組み込まれるブリヤート共和国、そして中華人民共和国の内モンゴル自治区…という具合に、おおむね3ヶ国に別れて暮らしています。ひとつの民族が国を異にして暮らしているイメージです。
スヨリトの実家は中華人民共和国の内モンゴル自治区にあります。数軒が点在する集落の周囲は見渡す限り草原。試しに上のマップを開いて、拡大してみてください。…本当になにもありません。最寄りの小さな街までは自動車で1時間30分、空港がある大きな街まで行くためには自動車で2時間30分かかります。
羊が牧草を食べ尽くすと、再び草が生えてくるまで別の区画で放牧します。
実家の生業は、羊の牧畜。そしてトウモロコシや緑豆などもかなり大規模に栽培しています。
耕耘、収穫、運搬…などの用途別に、巨大な農業機械を数台使い分けます。
かつては羊とともに水や牧草を求めて移動する遊牧生活を営んでいましたが、内モンゴル一帯が中華人民共和国に編入された1947年から、伝統的な遊牧生活は変化し始め、徐々に定住しながら羊を放牧するというスタイルへと移行。スヨリトの父の代からはこの地に定住し、育てた羊の肉や子羊を売る牧畜業と、トウモロコシ、緑豆、ソバなどを栽培する大規模農業を営むことで生計を立てるようになっています。
寝室用のゲルのキャパシティは、1棟4人。
2025年9月、日本でできた友人や店の常連のお客様をお招きしたい…ということで、スヨリトは実家の庭に5棟のゲルを建てました。
ゲルは遊牧生活の象徴ですが、建てたゲルは固定式。基礎にコンクリートを打ち、エアコンまで付けてあるため、さすがに移動はできません。それでもやはり、遊牧生活への憧れが今なおスヨリトたちの心には刻まれているのでしょう。